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禁断兄妹

第16章 悪戯  ※※柊side※※


二人の姿を思い出すたび
俺の胸の炎は
火の粉を巻き上げながら激しく燃え盛って

吐き出された黒い煙は身体中に充満して
俺を真っ黒に塗り潰した。

一人で留守番が寂しいなら
あの男を呼んだらいいじゃないか
父さん達には内緒にしといてやるよ

そんなメールを
何度も送ろうとして
何度も消した。

こんな自分に腹が立つ

もう何も言いたくない

でも
萌はきっと
俺の返信を待っているだろう

昨日
俺の冷たい態度に
足を止めた時の萌の表情が
胸をよぎる。

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