禁断兄妹
第16章 悪戯 ※※柊side※※
「柊兄、飲み過ぎっ」
俺の前に置かれていた
もう何杯目かも定かじゃないグラス
和虎が横から奪って
代わりに自分が飲んでたチェイサーを俺に差し出す。
「水も飲まずにそんなに飲んで。悪酔いするよ」
「なんだよ、まだ酔ってねーよ」
グラスを奪い返すと
和虎が大げさにため息をついた。
「もう十分酔ってるよ‥‥携帯見すぎ」
「‥‥」
俺は手元に置いてあった携帯を
ポケットに入れた。
「アタシといても楽しくない?」
「‥‥悪い」
謝ると
和虎はふふっと笑った。
「萌でしょ?‥‥柊兄にそういう顔させるのは、あの子だけね」
「‥‥」
「気になることがあるなら、もう帰ったら」
微笑む和虎にそっぽを向いて
俺は手の中のグラスを一気に空けた。