禁断兄妹
第20章 禁断兄妹3rd プロローグ
カーテンの隙間から零れる
柔らかな月明かり
私の腕を照らす。
お兄ちゃんがこの家を出て行ってから
二ヶ月
私は
お兄ちゃんの姿を夢に見るようになった。
今日のお兄ちゃんは中学生くらいだったな‥‥
私は再び目を閉じた。
誰にも言えない秘密を抱えてしまったあの日
旅行から帰って来たお父さんとお母さんが話してくれたことは
本当に思いもしなかったことで
私にはもう容量オーバー
受け止めきれなくて
それから数日間熱を出して寝込んでしまった。
今まで私の見ていた世界は
お兄ちゃんの見ていた世界とは全然違っていたんだって
初めて知った。
お兄ちゃん
私
ちゃんと全部聞いたよ
私は不倫してできた子供だったこと
それを初めて知ったお兄ちゃんが怒って
家を出て行ったこと
お兄ちゃんの本当のお母さんは
もう亡くなってること
ごく普通の四人家族
私はそう思っていたけれど
お兄ちゃんにとっては
そんな単純な関係じゃなかった。
お兄ちゃんにとって私とお母さんは
ずっと他人だった。