禁断兄妹
第22章 俺はもう、あいつのことは忘れる
賑やかな繁華街
通り過ぎる酔客達の陽気な声が
虚ろな頭に耳障りに響く。
もう会わないほうがいいんだ
自分で言った言葉に自分で傷ついている
バカな俺。
歩く視線の先
ショーウィンドウに俺が映る。
萌
俺
死相が出てるってさ
和虎とママの過剰反応から
随分と実績のある霊感野郎なのだとわかるが
笑わせる
でも
もし
それが本当なら
俺はもうお前に会えないまま
死ぬのか
萌
俺が死んだら
お前は泣いてくれるか
あんな酷いことをした俺のこと
許してくれるか
萌