禁断兄妹
第24章 美弥子の告白
「俺だけど‥‥」
「‥‥柊君?」
美弥子の声が震えている。
「事務所に来たって、オーナーに聞いて」
「うん‥‥ありがとう、電話をくれて‥‥ありがとう‥‥」
今にも泣き出しそうな声の美弥子
オーナーはタバコを咥えながら立ち上がると
部屋を出て行った。
「父さん、入院してるって‥‥?」
「うん‥‥巽(たつみ)さんからは、柊君には言うなって言われてたんだけど、やっぱり伝えなきゃだめだって思って‥‥。
柊君、びっくりしないでね‥‥巽さんね、胃ガンだったの‥‥」
「‥‥そう‥‥」
事務所に来たぐらいだから
ただの病気じゃないことくらい予想していた。
だから
電話したくなかった。
俺の鼓動は
不安定に速度を増していく。