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禁断兄妹

第24章 美弥子の告白


「喪服のままやって来た巽さんからはお酒の匂いがして、ぼろぼろに疲れきっていた。ふらつく体を支えた時、彼、私にしがみついて泣き出したわ。 
 『夏巳が灰になってしまった。もうどこにもいない。夏巳は死んでしまった』
 そう言って子供みたいに声をあげて、泣き崩れた。 
 巽さんの涙を見たのは、それが最初で最後。私も一緒に泣いて、そして二人で泣きながら、夢中でセックスしたの。避妊もせずに。
 喪った奥様を思って私を抱いているとわかってた。でも彼のことが本当に愛おしかった。私が少しでも彼の心の慰めになるなら、それでいいと思った。
 そのセックスで私は妊娠したの。それが、萌なの」

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