
禁断兄妹
第26章 君は愛されている
「萌ちゃんは、何が好き?嫌いなものある?」
「なんでも、好きです」
「良かった。柊兄は嫌いなもんばっかだけどねー」
和虎さんと私は
さっきのモデル事務所のそばにある
お洒落なカフェに来ていた。
お兄ちゃんが来るまで一時間くらいあるから
その間に夕御飯をご馳走すると言って
和虎さんが連れてきてくれた。
「このお店は、オムライスがお薦めだよ。良かったらそれにしよ?」
「はいっ」
「ハイだってー、あはっ、可愛いーっ」
和虎さんは体を揺らして楽しそうに笑うけれど
私は
あと一時間もしたらお兄ちゃんが来る
その事で頭がいっぱいで
本当はご飯なんて喉を通りそうもなかった。
