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禁断兄妹

第26章 君は愛されている


和虎さんの事は
前からお兄ちゃんから聞いていた。

しょーもない奴
そう言っていたけれど
親友って呼べるのはあいつだけだって言っていた。

うるさいとか
変人だとか聞いていたから
どんな人なんだろうと思っていたけれど
実際の和虎さんはとても優しくて
素敵な人だった。

クシャクシャの柔らかそうな髪
小さな顔に長い手足はいかにもモデルさん
黙っていたら冷たい感じがするほど綺麗に整っている顔立ちだけど
その目尻と眉を思いきり下げて
大きなアヒル口を豪快に開けて笑う和虎さんは
気さくで優しくて
周りをぱあっと明るくするようなキラキラとした魅力に溢れていた。

店員さんにも笑顔を見せて
冗談を言いながらオムライスを注文する和虎さんの横顔をそっと眺めながら
私はさっき和虎さんが言った
柊兄は嫌いなもんばっかだけどねって言葉を
思い出していた。

お兄ちゃんはなんでも黙って食べていたと思う。
私にも好き嫌いはするなって言っていたし。

お兄ちゃんが家では見せなかった顔
和虎さんは
色々知っているのかな

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