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禁断兄妹

第27章 俺にとどめを刺せ


不意打ちで
心の準備ができていない。

固まったまま俯く私の視界の端で
ガラス窓をノックした右手が
手招きするように動いた。

そして私に背を向けて
お兄ちゃんは歩き出す。

慌ててコートを羽織って鞄を手に取ると
ありがとうこざいました、という店員さんの声を背中に受けながら
外へ

お店から五メートルほど離れたところで
私を待っているお兄ちゃん
その背中は
前よりも一回り大きく見える。

ドキドキ
痛いくらい心臓が高鳴る。

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