禁断兄妹
第27章 俺にとどめを刺せ
月明かりが
滑らかな肌と彫りの深さを際立たせて
その瞳を妖しく煌めかせる。
魅入られて
目が逸らせない
息もできない。
「あの夜のこと‥‥忘れたの‥‥?」
囁くような甘い低音は
あの夜の秘め事を鮮やかに甦らせて
私の頭を真っ白にしてしまう。
「あれからずっと後悔してた‥‥許して欲しいと思ってた‥‥でも、なかったことにされるくらいなら、一生憎まれてた方がまだましだ‥‥」
お兄ちゃんはそう言うと
更に瞳を細めて
「それとも‥‥この前の続きを、されてもいいって、こと‥‥?」
その言葉に
私の内側にあるお兄ちゃんの爪痕が
反応する。
狂おしく疼いて
その存在を強く主張する。
もうお兄ちゃんの瞳を見つめていられない
私は顔を横に背けるように
俯いた。