禁断兄妹
第4章 犯されるって、言えば‥‥?
はだけた前をかきあわせながら
電話に駆け寄る。
ディスプレイにはお母さんの携帯番号
荒い息のまま
受話器を取った。
「もしもし、お、お母さん‥‥っ」
「あー、萌、出るの遅かったわねー。寝てた?」
いつもののんびりとしたお母さんの声
ほっとして
思わず涙が出そうになる。
「ううん、起きてたよ‥‥」
「もっと早い時間にかけようと思ってたんだけど、こんな時間にごめんね。なんだか声が聞きたくて‥‥」
話を続けようとするお母さんを遮って
私は声をあげた。
「お母さん、あ、あのね‥‥っ!」
「んー?どうしたの」
いつもの優しい声
「えっと、あの、あのね‥‥」
なかなか言葉が出てこない。
「ねえ萌‥‥お兄ちゃんは帰って来てる‥‥?」
‥‥!!
お兄ちゃん、という言葉に
私の身体が震える。