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禁断兄妹

第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~


意外な言葉に誘われて
顔を上げた視線の先
お兄ちゃんの優しい笑顔


「でも、俺も、怖くはない‥‥」


静かに
けれど力強くそう言って
その瞳が甘く細められる。


「何も、怖くない‥‥」


真横に倒した顔がゆっくりと近づいて
伏せられていく瞳

同じように瞳を伏せた私の唇に
そっと押し当てるように重ねられた唇
柔らかな口づけ

何も怖くない

うん
お兄ちゃん

うん

何も怖くない

どうしよう
泣きそう


「好き‥‥大好き‥‥」


「俺のほうが、好きだよ‥‥」


頬に
唇に
首筋に
静かに降り注ぐ口づけの雨


「どれくらい好きか、教えてあげる‥‥」


口づけを受けた肌に
点々と熱い花が咲いて
その熱は身体全体に広がっていく。

燃えるように身体が熱い
汗が滲む

胸の中が
じんじん
する

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