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禁断兄妹

第39章 和虎


「久しぶりだね」


数時間後
店にやって来た要
俺の顔を見て変わらない笑顔を見せる。
いつものポーカーフェイス。


「いらっしゃい要っち‥‥眼鏡変えた?」


「はは、一言目はいつもそれだね」


要は微笑みながら立っていて
すぐには椅子に腰掛けない。

話の早い男だ

俺は視線だけをドアへ流した。

要が目だけで頷く。


「あ、煙草忘れた‥‥」


ポケットをまさぐりながら要はそう呟くと
ちょっと買ってくる、と店を出ていった。

少しの間をおいて
俺も携帯を片手に
電話をかける素振りをしながら店の外へ出る。

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