テキストサイズ

禁断兄妹

第47章 優しくしたいけど、無理かも知れない~ベッドの上で⑤~


シーツの上
腹這いにさせた萌の両足をまたぐように膝立ちになった俺は
汗と蜜に濡れたしどけない後ろ姿を陶然と見下ろした。

華奢な白い背中にくっきりと浮き出した肩甲骨
その美しいカーブに目を奪われて
伸ばした指先でそっとなぞりあげると
萌は微かに震えて切ない吐息を漏らした。

『人間が天使だった時の翼のなごり』

ふっとどこかで耳にした言葉が
記憶の底から浮かび上がる。

萌は天から降りて
人間となって生まれてきた。

胸に閃いたそれはお伽噺には思えなくて
まるでついに探し当てた真実のように
俺の胸を震わせた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ