禁断兄妹
第47章 優しくしたいけど、無理かも知れない~ベッドの上で⑤~
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熱く火照った身体が冷めるまで
ベッドの上で抱き合って
ただお互いの名前を呼びあっては微笑みあって
小さな口づけを繰り返しながら時を過ごした。
やがてカーテン越しに仄かな明るさを感じて
空が白んできたことを知ると
柊は私を伴ってベッドを降りた。
二人窓辺の床に腰を下ろして
寄り添いながら
一枚の毛布にくるまってカーテンの隙間から朝焼けを見た。
柊は
これからは海外の仕事を増やして
向こうを拠点にして仕事をしていくつもりだと話してくれた。
「世界中のランウェイを歩くんだ。GUCCIやDiorだって、今に歩いてみせるよ」
自信に満ち溢れた穏やかな声
そっと見上げた瞳はまっすぐに前を見つめ
朝焼けを映して金色に輝いている。
綺麗
大きな手にかき上げられた朝日に透ける髪
さらさらと音を立てて
光の粒が端正なラインを描く精悍な横顔に零れて
キラキラ
キラキラ‥‥
眩しい‥‥
「柊ならできる‥‥世界中で活躍できる」
溢れる光の中へ堂々と歩き出す広い背中が
胸の中はっきりと像を結ぶ。
柊
息を飲む美しさと
人を惹き付ける何かをあなたは持っている。
あなたなら望むままに
どこまでも上り詰めていける。
「‥‥萌も一緒だよ」
私に視線を移した柊が
ふっと微笑んだ。
「一緒に行こう。俺と、世界を見に行こう。
お前がそばにいてくれるなら、どこまでも行ける気がする‥‥」