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禁断兄妹

第54章 由奈~終わりの始まり②~


修斗の言う通り
実家がヤクザだという事実はいつか私の命取りになるかも知れない。

だけどそれを恐れていたら何もできないから

行けるところまででもいい

私は進むんだ


「‥‥旨い店なら俺だっていくらでも知ってる。貸し切りにできるだけの金もある」


ぽつり
修斗の無表情な声が聞こえた。


「檻の中の世界で生きるなら、いくらでも食いに連れて行きますよ‥‥」


私は首を振った。


「ごめん。もう言わないよ」


窓の外はいつの間にか見慣れた景色
雨も上がっていた。

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