
禁断兄妹
第60章 嵐の夜③
まだ暗い冷えた部屋の真ん中
テーブルの上の白い小箱は萌へのクリスマスプレゼント
そして自分自身への誕生日プレゼント
もうすぐやって来る聖なる夜は俺の誕生日
───姫の永遠の愛を頂きたい───
その言葉を形にしたくて選んだペアのリングは
二人にとっての結婚指輪
まだ渇きの収まらない喉に残りの水を流し込み
カーテンの隙間から明け始めた空を眺めた。
萌
ずっと俺のそばにいてくれ
いつか二人でアメリカで暮らそう
笑顔で頷いてこのリングを指に嵌めてくれることが
それが俺への
最高の誕生日プレゼントだよ
