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「お嬢様。」

第9章 かぎ

「俺、なかなか時間あげれないけど」

たまには、ね。と微笑む。

「夏休みだもんな、花蓮は。」

そう、待ちに待った夏休み。

「そしたら、俺んちいたらいい。

夜には帰って来るし、

暇ならランとリンの相手してやって

ほしいんだよね。」

合鍵もらっちゃったしね。

「朝ご飯、とか」

少し照れ臭そう。

たぶん手料理がよかったみたい。

「うん、毎日つくるよ」

どうせ家にいても、

33階にいない龍太郎さんが気になって

憂うつになってしまうんだろうし。

あたし、忘れてたい。

蓮さんなら受け止めてくれる。

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