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「お嬢様。」

第11章 こくはく

「しーちゃん?」

大分落ち着いてきた時雨に声をかける。

一瞬戸惑って、久し振りに

しーちゃんを時雨、と呼んでた。

「はあ、ごめんごめん。」

いつもの陽気な声に戻る。

「あんたって天使みたいだねー!

声聞いたら嫌なことに

思いっきり泣けて、もう大丈夫だし」

けたけた笑いながら時雨は言う。

「なにかあったの?」

「なーんも。........いや、うそ。

あったよ、でもいまは言えない」

そっか、追求はしない。

時雨があたしに言ってくれるまで

待つもん。

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