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「お嬢様。」

第13章 うらぎり

花蓮は安西蓮の後ろで泣いてた。

ぐしゃぐしゃになって。

「俺がいったいな........」

「もういい........の........」

消えそうなくらい小さな声で

花蓮が鳴いた。

生まれたての子猫みたいに鳴いた。

「蓮、........もぅ、いいから........」

そんな、俺との思い出が

お前を辛くさせてるの?

「........っ」

俺はなにもいわず、

ふたりを通り過ぎてエレベーターに

乗り込んだ。

行き先は33。

逃げてしまいたい。

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