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「お嬢様。」

第14章 あきのはじまり

正門をぬけると

後ろから聞き慣れた声が聞こえる。

「かーれーんーっ!」

元気な時雨の声。

「しーちゃあーんっ!」

あたし達は久し振りに会う。

しょっちゅう連絡も取り合ってたけど

バイトしてる時雨とは

なかなかスケジュールが合わなかった。

隣には、優ちゃん。

「ゆーちゃん......」

なんだか罰の悪そうな顔してる。

「俺、時雨と付き合うことにした」

そっか。

だから一緒に登校してんだね。

夏が、あたしたちを

いいステップアップに

連れ出してくれたんだね。

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