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「お嬢様。」

第14章 あきのはじまり

「花蓮っ」

あったかい。

龍太郎さんがあたしを抱きしめる。

「俺の子どもかもしれないの?」

このひとは、あたしの

気持ちを悟ってるの?

「いや、俺のだろ」

王子様は

あたしを鎖でそうやって

繋ぎとめるつもりなのかもしれない。

「花蓮、かれんっ......」

ぎゅうっと抱きしめられる。

吐き気はおさまってゆく。

あたしは

また気づかないうちに

眠りについていた。

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