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「お嬢様。」

第5章 あなた

「あ、はいっ.......」

あたしはインターホンの

通話ボタンを押す。

画面には龍太郎さん。

ロックを外す。

「よ」

いつもの調子で言った。

「あ、どうも.......」

だめ、目が合わせられない。

「姫?」

龍太郎さんが近づいてくる。

やだ、なんかだめ、緊張する//

「やっ.......」

触れて来た手を払いのける。

唖然とする龍太郎さん。

あたしも

ごめんなさいと言おうとするのに

緊張で声がでない。

「.......わかった。もーいいよ」

龍太郎さんは諦めたかのように

あたしから離れて見下したように

言った。

「辞退するよ」

「龍太郎さん、まっ.......」

扉が閉められる。

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