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「お嬢様。」

第5章 あなた

好き。

すきだ、あたし、

龍太郎さんに抱きしめられたい。

目から涙があふれる。

「わぁ.......」

あたしが追いかけようとした

玄関にうずくまると

ゆっくり扉が開く。

「姫.......?」

心配そうな龍太郎さんが

あたしの顔を覗き込む。

「花蓮.......?」

あたし、たぶん

いま一番可愛くない顔してる。

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