テキストサイズ

NNK

第2章 壁


「この人痴漢です!」

テンプレは車内によく響いた
誰もが声の主を探し
少女を見下ろし
そして落胆した

何ということはない
少女は可愛くなかったのだ
顔が整っていないというか
女らしくないというか
とにかく関わりたくない顔だ

そんなことより誰が痴漢か
また乗客の視線は車内を漂う
少女の視線の先を見ればいい、と
そのうち気づく

少女の視線の先には
サラリーマンが一人
太った脂ギッシュな豚

早くも終了のお知らせ
ホームに降りて様子を見る俺
→野次馬

ストーリーメニュー

TOPTOPへ