それでも好きな人
第7章 過去と未来
美鈴「…」
美鈴がいたのは
公園の山型の遊具の中だった
ここなら雨風に当たる事なく気持ちを
落ち着ける事が
出来た
美鈴「…!?」
拓真「はぁはぁ…やっと見つけた…」
美鈴「…お義兄さん」
拓真「はぁはぁ…はぁぁ…」
美鈴「…」
傘もささず
探し回ってくれたのか
拓真の体は服が透けて素肌が見えるほど
全身、ずぶ濡れになっていた
拓真「大丈夫だった?」
美鈴「…はいっ」
雨に濡れたせいか
美鈴の体はまだ震えていたが
さっきみたいな恐怖はもう感じなかった
だけど…
香苗「あれっ拓真?」
美鈴「!?」
拓真「香苗、どうして…」
香苗「ビール切らしちゃって買い出しに
それより何してたの?傘もささないで…
ずぶ濡れじゃない」
拓真「あっいや、これは…」
美鈴「…」
偶然なのか
突然、香苗が現れた
遊具が視界になり香苗が遊具の中にいた
美鈴に気づく事はなかったが
その代わりに…
香苗「ねえ、良かったら拓真一緒に飲ま
ない?みんなに紹介したいし」
拓真「一緒に…」
美鈴「…」