それでも好きな人
第7章 過去と未来
香苗「一緒に行きましょう」
美鈴「…」
行って欲しくない
引き止めたい
だけど
ここで自分が出て行くわけにいかず
美鈴は祈るしかなかった
香苗「ねえ、行きましょうよ」
美鈴「ぁ…」
拓真「…ごめん、悪いけど約束あるから
また、今度…」
香苗「…わかったわ、じゃあまた」
美鈴「…」
香苗「傘、貸してあげる、風邪引かない
ようにね」
拓真「…ありがとう」
拓真に傘を渡し
雨の中、走り去った香苗
美鈴に気づかれず安心した拓真だったが
この時
香苗は気づいていた
美鈴が遊具に隠れていた事を…
拓真「…」
美鈴「良かったの…お姉ちゃんと一緒に
行かなくて…」
拓真「今の美鈴ちゃんを一人には出来な
いよ」
美鈴「…ありがとう」