それでも好きな人
第8章 甘い味
香苗「…あれっ」
美鈴の部屋を出た後
自分の部屋、寝室に入った香苗
あの後、拓真はベッドの乱れを直したが
香苗は気づいてしまった
ベッドの
微妙な変化に…
香苗「今日洗ったのに…シミ?」
ベッドのシーツ
洗ったばかりで綺麗なはず
だけど何故かシワシワで真ん中辺りには
何かを
飲み物をこぼしたような
透明なシミが…
香苗「…」
拓真「香苗、パジャマ知らない?」
香苗「あっパジャマね、ちょっと待って
今出すから」
気づかれないよう
シーツのシワを伸ばし直した香苗
翌日にはもう一度、シーツを洗いシワは
消えたが…
香苗「…」
香苗の記憶から
そのシミが消える事はなかった