それでも好きな人
第2章 失恋
美鈴「…お義兄さんが何」
感情の変化に気づかれないよう
気をつけながらご飯を食べ続けた美鈴
香苗も
特に美鈴の変化に気づく事はなく
話しを続けた
香苗「正直、どう思ってるの?」
美鈴「何が?」
香苗「拓真の事」
美鈴「…」
もしかして…
もしかして気づかれた?
拓真に会いたくて毎日、拓真が働く花屋
に通っていた事
自分が拓真に
姉の旦那さんに想いを寄せていた事
そして…
そして今も諦め切れず
自分がまだ拓真を好きな事に…
美鈴「…」
香苗「拓真の事嫌い?」
美鈴「えっ?」
香苗「拓真の事避けてるから」
美鈴「…嫌いじゃないよ、ただ…ほらっ
男の人と一緒に暮らすの久しぶりだから
恥ずかしくて…」
香苗「そっか、そうだね」
美鈴「…」
香苗「ゆっくりでいいから拓真と仲良く
してね」
美鈴「うんっ…」
家族として
義理の兄として拓真と仲良くする
正直それは美鈴には一生出来そうにない
願い事だった