それでも好きな人
第2章 失恋
美鈴「…くッ」
耳を塞ぎ布団を被り
何も聞かないよう抵抗したが
静まり返った部屋では香苗の声は響き
聞きたくなくても
香苗の喘ぎ声
二人の体が重なり合う音は
聞こえてしまった
香苗「拓真…拓っ、あぁッ!!」
美鈴「…」
その日は結局一睡もする事は出来ず
そのまま朝を迎えてしまった
美鈴「…眠い」
香苗「美鈴?美鈴、遅刻するわよ」
美鈴「すぐ行く!!」
寝不足だったが
それで休むわけにはいかず
急いで制服に着替え一階の居間へ向かっ
た美鈴
美鈴「…」
香苗「何してるの?早く食べないと学校
遅刻するわよ」
美鈴「…うんっ」
拓真の姿はない
どうやら仕事に行ったようだが
今現在も花屋で働いているのかは不明だ
った
美鈴「いただきます」
香苗「ねえ美鈴」
美鈴「ん?」
香苗「ちょっと聞きたいんだけど」
美鈴「何」
香苗「拓真の事…」
美鈴「…」