
それでも好きな人
第10章 温泉効果
美鈴「うぅ…のぼせちゃった…」
拓真「だから言ったのに」
美鈴「…だって」
拓真「待ってて、水買ってくる」
美鈴「…ありがとう」
予定なら今頃
二人で夜景を見てるはずが
現実は温泉にのぼせ布団の上でぐったり
するとは…
美鈴「…はぁっ」
拓真「水買ってきたよ」
美鈴「あぁ…ありがと…うっ?」
近くの自販機で
冷たい水を買ってきてくれた拓真
体が熱く喉がカラカラで早く飲みたかっ
たが
何故か拓真は
水を渡してくれなくて…
美鈴「ちょっ…何してるの…」
拓真「飲ましてあげる」
美鈴「えっ!?いいよ、自分で飲めるか
ら…」
拓真「いいから」
美鈴「えっ!?あっ…んぅ、ん…」
拓真「…んっ」
水を口に含むと
拓真は美鈴の唇に唇を重ね
冷たい水を口移しで飲ませてくれた
熱い体に
冷たい水が染み渡り生き返る気がしたが
不思議と触れ合った唇だけは熱く
唇が離れても、しばらく
熱を持っていた
