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それでも好きな人

第3章 衝撃



拓真「おはよう」

美鈴「…おはようございます」


あれから美鈴は
必要以上、拓真を避けないようにした
食後も居間に残ったり話しかけたり
怪しまれないように
努力していた


拓真「勉強はどう?」

美鈴「普通です、勉強苦手な方じゃない
んで」

拓真「そっか」

美鈴「…」


と言っても
話す内容は学校の事ばかり
共通の話題がないから仕方なかったが
社交辞令で話してる
そんな気がしてならなかった


美鈴「…」

香苗「ねえ美鈴、今夜なんだけど」

美鈴「今夜?」

香苗「お母さん、今日は施設に泊まりだ
から拓真と出かけたいんだけど」

美鈴「別にいいけど」

香苗「良かった、ありがとう」

美鈴「…」

拓真「本当にいいの?夜一人だよ」

美鈴「平気です」


本当は平気じゃない
だけど一緒に出かける勇気もなく
ただ二人が仲良く出かけるのを見送る事
しか
出来なかった


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