それでも好きな人
第14章 同じ穴のムジナ
それから
智之とは自然消滅した
正直、智之との関係に飽きてきていたし
美鈴の件がバレる前に別れられて
安心していた
香苗「…」
そんな時だった
彼に拓真に出会ったのは
拓真「お待たせしました」
香苗「あっ…」
拓真「ありがとうございます」
香苗「…」
一目惚れだった
こんな気持ち初めてだった
誰にも渡したくなくて毎日のように店に
通った
毎日のように通い
名前を覚えてもらい友達になった
料理には自信があったから付き合えれば
結婚出来る自信があった
だけど…
拓真「いらっしゃいませ」
美鈴「…こんにちは」
香苗「…美鈴」
同時進行
いや、美鈴の方が先に
自分より先に拓真と出会っていた
美鈴も自分と同じように拓真に心惹かれ
あの日から
立ち直り始めていた
香苗「…渡さない…渡さない絶対に」