それでも好きな人
第15章 不慮の事故
美鈴「…」
香苗「で何?」
美鈴「何って…何が?」
香苗「何か言いかけてたから」
美鈴「あっううん、別に…何でもないの
気にしないで」
香苗「そう…そういえば拓真は?」
美鈴「!?」
香苗「自分の部屋?」
美鈴「あっ…なんか…お腹痛いみたいで
トイレ入ってる」
香苗「薬用意しとかなきゃ」
美鈴「…」
聞かれるだろうと思い
ちゃんと答えを用意していた美鈴
お腹が痛いのは嘘だったがトイレに入っ
てるのは本当で
そんなに
やましい気持ちには
ならなかった
香苗「…」
コンコン(ドアをノックする音)
香苗「拓真、お腹大丈夫?」
拓真「香苗!?」
香苗「薬出しといたから痛かったら後で
飲んでね」
拓真「うんっ、ありがとう」
香苗「…」