それでも好きな人
第17章 罠
拓真「夕方まで勉強しようか」
美鈴「勉強するの…」
拓真「そんな顔しない、予習復習してれ
ばテストの時、楽だよ?」
美鈴「は~い」
久しぶりに
二人っきりになれたのに
拓真は美鈴に触れようとしなかった
香苗は8時にならないと帰ってはこない
時刻は
3時を回ったところ
まだ5時間もあるというのに…
拓真「さっ、教科書開いて」
美鈴「…はいっ」
何かを警戒してるのか
それとも…
拓真「じゃあまず」
美鈴「…」
拓真「美鈴ちゃん、具合でも悪い?」
美鈴「お義兄さん…私の事…もう嫌いに
なった?」
拓真「そんな事ないよ、好きだよ」
美鈴「だったらなんで?なんで…触れて
くれないの…」
拓真「美鈴ちゃん…」
美鈴「私はお義兄さんに触れたい、触れ
てたいのに…」
拓真「…」