それでも好きな人
第17章 罠
康太「俺に出来る事ならなんでもするか
ら、何かあったら言えよ」
美鈴「…でも」
康太「友達だろう?俺達」
美鈴「友達…」
康太「今までお世話になったし遠慮する
なよ」
美鈴「…ありがとう」
康太「…」
自分と拓真の関係
不倫関係を知っても尚
友達だと友達で居続けてくれた康太
嬉しくて
涙が出そうだった
世間的には非難される関係なのに
康太は自分達の事を応援してくれていた
許されるはずのない
この関係を…
担任「じゃあ今日はここまで、気をつけ
て帰れよ」
生徒「は~い」
美鈴「…」
今日の授業が終了し
生徒達は教室からを出て行った
部活に行く者や帰る者など様々だったが
美鈴は
席に座ったまま
外を眺めボーッとしていた
美鈴「…帰りたくないな」
家にいるより
学校にいる方が楽だった
母や香苗と顔を合わせずにすんだから
今の家は
どんよりしていて
空気も悪く居心地は最悪だった