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それでも好きな人

第17章 罠



母「ゴホッ、ゴホッゴホッ…」

香苗「大丈夫?」

母「ゴホッ…うんっ…」

美鈴「…」


心は決まっていた
この家に家族に未練はない
だけど一つだけ気になる事があった
母の事だ…


母「ゴホッゴホッ…ゴホッ…」

香苗「吐きそう?」

母「…大丈夫」

香苗「無理しないで」

美鈴「…」


母の顔色も悪く
具合の悪い日が何日も続いていた
そんな状態の母を残して出てっていいも
のか…


美鈴「…ぐすっ」


涙を拭い
美鈴は準備をした
自分を選んでくれた拓真の為にも
自分も自分の気持ちに正直になって拓真
を選ぼうと…


美鈴「…」


携帯と置き手紙を残し
翌朝、5時には家を出た美鈴
もう二度と家に戻ってこない覚悟を決め
振り返らず
拓真との待ち合わせ場所の
駅前へと急いだ


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