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それでも好きな人

第17章 罠



美鈴「今どこにいるの…」

拓真「近くのホテルに泊まってる、もう
あの家に戻るつもりはないよ」

美鈴「…」

拓真「美鈴ちゃん」

美鈴「…何」

拓真「僕と一緒に行こう、家族も友達も
何もかも捨てて一緒に暮らそう」

美鈴「そんな…無理だよ…」

拓真「明日の朝6時、駅前で待ってるか
ら」

美鈴「あっ、お義兄さん!?」

拓真「待ってるから」

美鈴「…」


それだけ伝えると
拓真は家とは違う方向へ消えてしまった
あの家に戻るつもりはないと
拓真の心は
あの時、家を出た時から決まっていた
あとは美鈴が決めるだけ
それだけだった


美鈴「…」


家族も友達も何もかも捨てて
拓真と一緒に…


美鈴「…」

香苗「…おかえりなさい」

美鈴「…ただいま」


運命を決めるタイムリミット
それは明日、明日の朝6時までだった


美鈴「…」


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