それでも好きな人
第18章 さよなら
美鈴「ありがとうございました」
早いもので
美鈴が家を出てから
一ヶ月近くが経とうとしていた
ある程度お金は持って出たが新生活には
なにかと物入りで
拓真は工事現場で働いていたが
美鈴もアパート近くの食堂でアルバイト
するようになっていた
美鈴「いらっしゃいま」
拓真「お疲れ」
美鈴「仕事もう終わったの?」
拓真「うん、もうすぐ上がりでしょう?
待ってるから一緒に帰ろう」
美鈴「うんっ」
小さなアパート
二人で住むには少し狭く
家具も家電もまだ満足に揃っていなかっ
たが
貧しいなりにも二人は楽しく
幸せに暮らせていた
美鈴「安いのだけど頑張ってお肉買った
から今日はすき焼きにしよう」
拓真「肉か、久しぶりだな」
美鈴「上手く作れるか不安だけど…」
拓真「一緒に作ろう」
美鈴「うんっ」