それでも好きな人
第18章 さよなら
美鈴「どうかな…」
拓真「うん、美味しい」
美鈴「良かった」
香苗が料理上手だった事もあり
美鈴はあまり自分から料理を作る事はな
かった
必要最低限の料理は作れても
手の込んだ料理などは
まだ苦手だった
美鈴「でもちょっと甘い…」
拓真「そうだね」
美鈴「…ごめんなさい」
拓真「少しずつ上手くなればいいよ」
美鈴「…」
拓真「美鈴ちゃん?」
美鈴「お姉ちゃんならこんな失敗、絶対
しないなって…」
拓真「…」
美鈴「…ごめんなさい」
はっきり
そう決めたわけではない
だけどいつの間にか二人の間で
香苗の名前を出す事はタブーに禁句にな
っていた
拓真「…」
美鈴「でも時々思うの…お姉ちゃんなら
こんな失敗しないのにって…」
拓真「やめよう」
美鈴「…」