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それでも好きな人

第18章 さよなら



美鈴「ハァハァッ…あっだッ…」

拓真「どうしたの?」

美鈴「…壁…壁薄いから…声が隣に漏れ
ちゃいそうで…」


建物が古く
隣に声が漏れるのではと心配し
手で口を押さえ唇を噛み締めたりして
隣に声が漏れないよう
必死に我慢した


美鈴「…だから」

拓真「気にする事ないよ、この辺りでは
高齢化が進んでるから子供が待ち遠しい
んだよ」

美鈴「拓真さんも待ち遠しい?」

拓真「もちろんだよ、僕と美鈴の子供に
早く会いたいな」

美鈴「産めるかな…私…」

拓真「今度は絶対守るからね」

美鈴「えっ」

拓真「もう二度とあんな思いはさせない
子供も美鈴ちゃんも絶対守るから」

美鈴「…うんっ」


初めての妊娠
それはあまりに突然で
産むべきかどうか悩んでる間に流産して
しまった
すごく悲しかった
だから今度もし妊娠したら絶対に産む
絶対にその命を守ると決めた
美鈴だった


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