それでも好きな人
第18章 さよなら
香苗「寒かったでしょう、どうぞ」
康太「お邪魔します」
香苗「…」
誘われるまま
家の中に入った康太
だけど入ってビックリしたのが
家の中は以前、康太が訪れた時とは違い
まるで
泥棒が入った後のように服や物が散乱し
見るも無残な状態だった
香苗「ごめんね、ちょっと散らかってる
けど…」
康太「いえ…ところで美鈴は?」
香苗「美鈴なら出てったわ」
康太「出てった!?」
香苗「拓真も出てったし…きっと今頃…
二人で楽しく暮らしてるわよ…」
康太「二人…」
香苗「驚かないのね…もしかして知って
た?二人の事…」
康太「…最近…知りました…」
香苗「そうなんだ…知ってたのね…」
康太「…」
香苗「知ってたんだ…」
康太「…あの」
母「ゴホッ…ゴホッゴホッ…」
香苗「ごめんなさい、ちょっと待ってて
すぐに戻るから…」
康太「…はい」