それでも好きな人
第18章 さよなら
香苗「…」
美鈴「…お姉ちゃん」
香苗「!?」
美鈴「…」
拓真「…」
香苗「美鈴…それに拓真も…」
美鈴「…」
拓真「僕、外で待ってるね」
美鈴「…うんっ」
香苗「…」
母の様子は気になったが
今はまだ顔を見せる時ではないと
拓真は病室には入らず一人、病室の前で
待つ事にした
香苗「…」
美鈴「お姉ちゃん…あのね…」
母「はぁはぁっ…美っ…鈴…なの…」
香苗「お母さん!?」
美鈴「!?」
母「美鈴…美鈴なのね…」
美鈴「そうだよ、お母さん美鈴だよ」
香苗「…」
母の元に駆け寄り
その手を強く握りしめた
意識が戻り今のところ容態は安定してい
たが
まだまだ
油断出来ない状態で
今、話せているのも奇跡だった
美鈴「お母さん…お母さんごめんなさい
私…私のせいでお母さん…」
母「美鈴…美鈴、泣かないで…」
美鈴「お母さん…」
香苗「…」