それでも好きな人
第18章 さよなら
美鈴「急にすいません…」
店長「気にしなくていいから早く行って
お母さんも待ってると思うから」
美鈴「…はいっ」
家に戻ると決めてから
美鈴は定食屋のアルバイトを辞めた
すぐにまたこっちへ戻り生活するつもり
だったが
すぐに戻れるか
長期間になるかわからない為
仕事も辞めアパートの契約も解除した
拓真「準備出来た?」
美鈴「…うんっ」
拓真「よしっ、じゃあ行こう」
美鈴「…」
来た時と同様
バスや電車などに乗り込み
タクシーにも乗って母が入院する病院へ
向かった
美鈴「…お母さん」
拓真「大丈夫だよ、絶対に大丈夫」
美鈴「…ありがとう」
拓真「…」
美鈴の震える手を
守るように拓真は強く握ってくれた
手の平から感じる拓真の体温に心がホッ
とし
体の震えはいつの間にか
収まっていった
運転手「到着しましたよ」
拓真「ありがとうございます」
美鈴「…」