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それでも好きな人

第19章 真実



香苗「お帰りなさい」

美鈴「…」


変な感じだった
自分の家なのに変に緊張し
居心地が悪く息が苦しくて詰まる思いだ
った


香苗「お茶入れるね」

美鈴「ありがとう…だけどあんまり時間
ないから…」

香苗「拓真と待ち合わせ?」

美鈴「まぁ…」

香苗「…」

美鈴「お姉ちゃん?」

香苗「どうして美鈴ばっかなの…」

美鈴「えっ?」

香苗「お母さんも拓真も…私じゃなくて
美鈴ばっかり…どうして私じゃないのよ
どうして…」

美鈴「お姉ちゃん…」

香苗「美鈴が羨ましい…美鈴が羨ましく
てずっと美鈴になりたかった…」

美鈴「私だって…私だってお姉ちゃんが
羨ましかった、お姉ちゃんになりたかっ
たよ」

香苗「…」

美鈴「料理上手で勉強も出来てみんなの
憧れで…すごく羨ましかった」

香苗「…」

美鈴「お母さんも自慢の娘だって」

香苗「美鈴は本当になにも知らないのね
バカみたい…」

美鈴「お姉ちゃん?」

香苗「お母さんは私の事、本当は嫌って
た、大っ嫌いだったのよ」

美鈴「そんな事」

香苗「顔も性格も別れた夫にそっくりで
憎くて憎くて仕方なかったのよ…」

美鈴「そんな…」


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