それでも好きな人
第19章 真実
香苗「あの時、階段でふらついた美鈴を
見てチャンスだって思った、やるなら今
しかないって…」
美鈴「…」
香苗「お腹の子は流れた、嬉しかったわ
だけど美鈴は生き残った…」
美鈴「お姉ちゃん…」
香苗「私…もう疲れちゃった…」
美鈴「…!?」
香苗「もう終わりにしよう、なにもかも
もう終わりに…」
美鈴「…」
包丁を手に取り
少しずつ美鈴に近づく香苗
その表情は脅しなどではなく本気だった
本気で…
香苗「私にはもう…失う物なんてなにも
ないの、なにも怖くない…」
美鈴「…」
香苗「美鈴も…お腹の赤ちゃんも殺して
私も…私も一緒に死ぬ…」
美鈴「嫌…絶対に嫌よ…今度こそ絶対…
絶対守ってみせる」
香苗「一人でなにが出来るの…」
美鈴「一人じゃない」
香苗「…」
美鈴「お腹の子がいる、だから私は一人
じゃない、この子は絶対に守る」
香苗「…言ってなさい」
美鈴「…」