それでも好きな人
第6章 喜びと悲しみ
康太「順調?」
美鈴「それが…間違いだったの」
康太「そう…なんだ…」
美鈴「…うんっ」
康太「残念だったな…でもまだチャンス
はあるって」
美鈴「…そうだね」
美鈴がショックを受けてると思ったのか
康太はありきたりな言葉を並べ
美鈴を元気づけてくれた
だけどそれが
美鈴には
余計辛かった
美鈴「…」
康太「でも本当、羨ましいな」
美鈴「えっ?」
康太「…俺…望まれて産まれてきたわけ
じゃないから…」
美鈴「望っ…えっ!?」
康太「俺の母親、周囲の反対押し切って
俺を産んだんだ」
美鈴「どうして反対…」
康太「俺、不倫相手の子だから」
美鈴「!?」
康太「会社の上司と不倫して…俺を妊娠
した途端に捨てられて…親や友人からは
おろせって言われたらしいけど母さんは
俺を産んでくれた」
美鈴「…」
康太「絶対に負けなかった」
美鈴「強い…ね…」
康太「あぁ」