美しい世界
第5章 過去〜凡人は心友をしる
さっきまでまとっていた威圧感は消えただのちっぽけな少女のように話した。
姫様…
僕は姫様に憧れていた。
世界一強くてなんでもできてみんなからすごいすごいと言われる姫様に…
でも違うんだ。
姫様は姫様なりに悩みがあって…
誰もが悩みを持って生きている。それは姫様だからと言って変わりはない。
僕はこのときはじめて知った。
『……姫…様…。僕は三人兄弟の中で下っ端で魔法の技術は兄弟の中でおちこぼれ。兄さんたちはすっごく優秀でいつも比べられる。小さい頃からそれが嫌で兄さんたちよりなんでもいいから上になりたかった。だから僕は勉学に専念したんだ。この世界は勉学だけが優れていてもたたえられることはない。でも…それでも、僕の父さんだけは僕の勉学を認めてくれてほめてくれた。自分のことをはじめて理解してくれ存在意義を確かめてくれた。そんな人に出会えるって素敵なことだと思う。そう…たった一人でも…。……………。だから……。姫様…。僕と………友達になろ?……僕は…君をおそれていないから…。』