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華のしずく~あなた色に染められて~

第25章 【花屑(はなくず)~華のしずく~】

秀継が約束した妻への土産の品を寧子の許に取りにくることは永久になかった。秀継の正式な訃報が二条邸へもたらされたのは、夜も明けてからのことである。秀継の重臣安良井道綱が謀反を起こし、羽柴秀吉を洛北の本仁寺にて謀殺、違う寺に宿泊していた秀継は己れの家臣の不始末の咎を一身に負い自刃。秀継自刃の際、その宿所を手勢を率いて取り巻いていたのは、松平秀康であった―。

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