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華のしずく~あなた色に染められて~

第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 月華

 そのときだけ、信太郎は一瞬、痛ましげな眼で月姫を見た。
「月姫は領主を恨んでおろうな」
 その問いに、月姫はわずかに首を振り、否定の意を見せた。
「今更、誰を恨んでも仕方ありません。きっと、こうなるのも、私の運命(さだめ)だったのでしょう」

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